築30年の断熱リフォーム事例|窓と家全体、どこまでやるか
築30年。外まわりの傷みが気になり始め、そろそろ何か手を入れたほうがいいのだろうかと考える時期です。
この記事では、伊予市で築30年以上の木造住宅を家まるごと断熱した事例をもとに、この年代の住宅で何が起きているのかを整理します。
作成者 吉川 貴裕(株式会社White Label Works 代表/屋号「窓リノ」) プロフィール
作成日 2026年9月3日 最終更新日 2026年9月3日 本記事は2026年8月時点の情報です 読了時間 約8分
築30年の住宅では、窓に何が起きていますか?
この年代の住宅では、アルミサッシと単板ガラスの組み合わせが残っていることが少なくありません。当時は一般的な仕様でしたが、いまの製品と比べると熱の出入りが大きくなります。
アルミは熱を通しやすい
ガラスの枚数だけでなく、枠の素材も効いてきます。アルミは熱を伝えやすい素材のため、ガラスを複層にしても枠から熱が移動します。冬に窓枠そのものが冷たくなり、そこに結露が出るのはこのためです。いまの製品で樹脂の枠が使われるのは、この点を抑えるためです。窓を選ぶときは、ガラスと枠の両方を見る必要があります。
一部だけ交換されていることもある
築年数が同じでも、途中でリフォームされていれば窓の仕様はそろっていません。リビングだけ複層ガラスに替わっていて、寝室と水まわりは当時のまま、ということが起こります。築年数で判断せず、部屋ごとに見ていく必要があります。どの窓が当時のままかは、ガラスの枚数とサッシの素材を見ればおおよそ判別できます。
築30年以上の家では、どこまで手を入れたのですか?
ご相談の内容は、冷暖房をフル稼働させても快適にならず、電気代が高いというものでした。現地を確認したうえで、全窓を高断熱の複層ガラスと樹脂サッシに交換し、あわせて外壁・床・天井の断熱補強を行いました。
「光熱費の心配が減り、家で過ごす時間が本当に快適になった」
出典:伊予市の施工事例(伊予市|家まるごと断熱・2026年8月確認)。お客様の声は掲載許諾済みの原文です。
なぜ窓だけにしなかったのか
この住宅では、家じゅうどこにいても温度差を感じるという状態でした。特定の部屋だけの問題であれば窓に絞る選択もありますが、建物全体で熱が出入りしている場合、窓だけでは変化を感じにくいことがあります。どこまでやるかは、困っている範囲がどこまで広がっているかによって決まります。
壁や床は、窓とは別の理由で効いてくる
窓は面積のわりに熱の出入りが大きい場所ですが、壁や床は面積そのものが大きい場所です。床に触れたときの冷たさ、壁際に寄ったときのひんやりした感じ。こうした体感は窓だけでは変わりません。伊予市の事例で面まで手を入れたのは、この部分の訴えがあったためです。
全部やらないと意味がないのですか?
そんなことはありません。当社では西条市で浴室と脱衣所に絞った事例もあります。困っている場所が特定できているなら、そこから始める進め方のほうが変化を実感しやすくなります。
01窓断熱|困っている窓が特定できているとき
02一部屋断熱|特定の部屋の環境をまとめて変えたいとき
03まるごと断熱|家じゅうで温度差を感じているとき
範囲を絞ることは妥協ではない
同じ予算で家じゅうの窓を少しずつ手当てするより、一部屋をしっかり変えたほうが変化は分かりやすくなります。薄く広くやると、どこも中途半端に感じられて次に進めなくなることがあります。最初の工事で体感を確かめてから次を決める、という進め方もあります。
段階的に進めるという選択
一度に全部やらず、年ごとに範囲を区切って進める方法もあります。最初の工事で体感がどう変わるかを自分の家で確かめられるため、次の範囲を決めるときの材料が増えます。ただし工事を分けると、そのつど段取りの手間が生じます。まとめたほうがよい部分と分けてよい部分は、現地を見て切り分けます。
築年数が古いと、工事に制約はありますか?
窓枠そのものが傷んでいたり歪んでいたりすると、下地の補修が必要になることがあります。工事できないというより、工程が増えるという形です。
補助金は使えます
築年数によって対象から外れる制度ではありません。先進的窓リノベ2026事業は、登録製品を使った窓の工事を対象としています。ただし壁や床の断熱補強は窓リノベ事業の対象外です。工事の範囲と補助の範囲が一致しない点は、予算を考えるときの前提になります。お見積りの段階で、どこまでが補助の対象になるのかを分けてご説明します。
| 項目 | 内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| 制度名 | 先進的窓リノベ2026事業(環境省) | 公式サイト |
| 補助上限 | 住宅1戸あたり100万円 | 同上 |
| 対象の下限 | 1申請あたり合計補助額5万円以上 | 同上 |
| 申請期間 | 2026年3月31日〜2026年12月31日 | 同上 |
| 申請方法 | 登録された窓リノベ事業者を通じて申請 | 同上 |
補助金は予算の範囲で受け付けられる制度です。申請すれば必ず受け取れるものではなく、本記事は受給を保証するものではありません。制度名・上限額・申請期間・対象工事はいずれも2026年8月時点で公式サイトに掲載されている内容です。交付申請の手続きは工事の完了・引渡し後で、交付申請の予約は任意です。要件と対象製品は年度ごとに変わるため、着工前に先進的窓リノベ2026事業の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。
我が家は、どの範囲の工事が向いていますか?
当てはまる項目が多いほど、範囲を広げた検討が向いています。下のチェックは診断ではなく、相談の前に状況を整理するためのものです。
築年数と断熱のセルフチェック(6項目)
当てはまるものにチェックを入れてください。個人情報の入力はありません。
当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。
当てはまった数でみる読み取り方
| 当てはまる数 | 読み取り方 |
|---|---|
| 0〜1個 | 部分的な工事で収まる可能性があります。困っている窓から検討する段階です。 |
| 2〜3個 | 部屋単位の工事が視野に入ります。窓の仕様と枠の状態を確かめてください。 |
| 4〜6個 | 建物を包む面まで含めた検討が向いています。伊予市の事例と同じ範囲での相談が現実的です。 |
チェックが多くても、順番はつけられる
当てはまる項目が多いからといって、一度に全部やらなければならないわけではありません。範囲が広いときこそ、どこから手をつけるかの順番が重要になります。いちばん我慢している場所から始めれば、最初の工事で変化を実感できます。
電気代の変化は断定できません
伊予市の事例では冷暖房効率が改善したと伺っていますが、具体的な金額をお伝えすることはできません。光熱費は住宅の条件だけでなく、家族構成・在宅時間・冷暖房の使い方・電力単価によって変わります。当社がお伝えできるのは、工事によって何がどう変わったかという事実の範囲です。
築30年の断熱リフォームについて、よくいただくご質問は?
築年数の経った住宅について実際に伺う質問をまとめました。住宅の状態によって答えが変わる部分は、その旨を添えています。
築30年だと、窓は必ず古い仕様ですか?
かならずしもそうではありません。途中でリフォームされていれば、一部の窓だけ複層ガラスになっていることがあります。築年数ではなく、実際の窓を見て判断します。
家全体をやらないと意味がありませんか?
そんなことはありません。伊予市の事例は家全体でしたが、西条市では浴室と脱衣所に絞った事例もあります。困っている場所から始める進め方もあります。
築年数が古いと、工事できないことはありますか?
窓枠そのものが傷んでいる場合は、下地の補修が必要になることがあります。工事できないというより、工程が増えるという形です。現地確認で枠の状態も見ています。
電気代はどのくらい下がりますか?
具体的な金額をお伝えすることはできません。伊予市の事例では冷暖房効率が改善したと伺っていますが、住宅の条件と使い方によって変わります。
工事のあいだ、住み続けられますか?
窓だけであれば作業する部屋以外は普段どおり使えます。壁や床の断熱補強を含む場合は、一時的に使えない部屋が出ることがあります。
築年数の古い家で、まず何を見ますか?
最初に確かめたいのは、建てたときの窓が残っている部屋がいくつあるかという点です。そのうえで冷暖房の負担を数字で見ておくと、どこまでの範囲で検討するかの判断がしやすくなります。
冷房費のシミュレーションで、我が家の負担を数字にする
窓の断熱で光熱費がどのくらい動くのかを、条件を入れて試算できます。個人情報の入力は不要です。
この記事に関連するページ
あわせて読みたい記事をご紹介
関連するブログ記事はこちらから
関連するブログ記事はこちらから
断熱リフォームに関する最新情報をお届けします。
最新ニュース&お知らせ
最新ニュース&お知らせ