断熱リフォーム 内窓 快適 夏の悩み 冬の悩み

単板ガラスと複層ガラスの違い|見分け方と体感の差を整理

単板ガラスと複層ガラスの違い|見分け方と体感の差を整理

窓の断熱を調べていくと、必ず「単板ガラスか複層ガラスか」という話に行き着きます。ところが、自宅の窓がどちらなのかを即答できる方は多くありません。

見分け方はとても簡単です。そのうえで、2つが何をどう変えているのか、体感としてどこに差が出るのかを整理します。

作成者 吉川 貴裕(株式会社White Label Works 代表/屋号「窓リノ」) プロフィール

作成日 2026年8月27日 最終更新日 2026年8月27日 本記事は2026年8月時点の情報です 読了時間 約8分

単板ガラスと複層ガラスは、どこが違うのですか?

ガラスが1枚か、2枚のあいだに空気の層があるかという構成の違いです。単板ガラスは1枚のガラスが室内と外を隔てているだけで、複層ガラスは2枚のガラスと、その間に閉じ込められた空気の層で隔てています。

単板ガラスは1枚、複層ガラスは2枚のガラスと空気層で構成されることを示す図 図1 単板ガラスと複層ガラスの構成 複層ガラス 単板ガラス ガラス2枚+あいだに空気層 空気層が熱を伝えにくくする 室内側の面が冷えにくい 結露が出にくくなる ガラス1枚のみ 外の温度がほぼそのまま伝わる 室内側の面が冷たくなる 結露が出やすい 違いを生んでいるのはガラスの厚みではなく、あいだの空気の層です。 出典:窓リノの施工事例および掲載データにもとづく整理(2026年8月時点)

空気の層が働いている

熱を伝えにくいのは、実はガラスそのものではなく、あいだに閉じ込められた空気です。空気は動かずにとどまっていると熱を伝えにくい性質があります。2枚のガラスがその空気を逃がさず保っている、という構造です。だから「ガラスを厚くすれば同じでは」とはなりません。厚みより層の有無が効きます。

なぜ厚いガラスでは代わりにならないのか

ガラスを厚くすれば断熱できそうに思えますが、ガラスそのものは熱を通しやすい材料です。厚くしても伝わる速さが少し遅くなる程度で、層をつくったときのような変化にはなりません。防音のためにガラスを厚くするという考え方はありますが、断熱の話では「層があるかどうか」が先に来ます。この違いを押さえておくと、見積りに出てくる仕様の意味が読み取りやすくなります。

内窓も同じ原理

既存の窓の内側にもう一つ窓を入れる内窓も、考え方は同じです。既存の窓と新しい窓のあいだに空気の層をつくることで、熱の行き来を抑えます。ガラスを複層に交換するか、内窓で層を足すか。どちらも「層をつくる」という点で目指しているものは変わりません。

出典:窓リノ 施工事例「松山市|寝室の内窓設置」の記載(2026年8月確認)。同事例では既存の単板ガラスの内側に樹脂製内窓を新設し、二重窓としています。

自宅の窓がどちらか、どうやって見分けますか?

サッシの框を横から見て、ガラスの断面を確認するのが最も確実です。ガラスが2枚に見えて、そのあいだにわずかな隙間があれば複層ガラスです。1枚だけなら単板ガラスです。工具も知識も要りません。

ガラスの断面を横から見て枚数を確認し、次に枠の素材を確認する手順を示す図 図2 窓の仕様を確かめる手順 STEP 1 框を横から見る ガラスの断面が 見える位置へ STEP 2 枚数を数える 1枚か2枚か 隙間の有無 STEP 3 枠を触る アルミか 樹脂か STEP 4 部屋ごとに確認 家全体が同じ とはかぎらない この4つを確認しておくと、相談したときに話が早く進みます。 判断がつかない場合は現地確認の際にお伝えします。 出典:窓リノの現地確認の進め方(2026年8月時点)

枠の素材もあわせて見る

ガラスの枚数が分かったら、次はサッシの枠です。アルミは熱を伝えやすく、樹脂は伝えにくい素材です。複層ガラスが入っていても枠がアルミなら、その部分は熱の抜け道として残ります。冬に枠のほうが先に結露するのは、この差が出ているためです。

見分けがついた後に考えること

単板ガラスだと分かったら、次は「どう層をつくるか」の選択になります。既存の窓の内側に内窓を足すか、ガラスそのものを複層に交換するか、窓ごと交換するか。建物の状態と、その窓をどう使っているかで向き不向きが変わります。毎日開け閉めする掃き出し窓と、めったに開けない小窓とでは、同じ仕様が最適とはかぎりません。

家全体が同じ仕様とはかぎらない

リフォームで一部の窓だけ交換されていることがあります。また、当初から水まわりだけ仕様が違うという住宅もあります。寒い部屋、暑い部屋があるなら、その部屋の窓を個別に確認してください。「うちは複層だから大丈夫」という思い込みが、実際には1か所だけ残っていた単板ガラスを見落とす原因になることがあります。

確認は冬の朝が分かりやすい

見た目で判断がつかないときは、冬の朝に窓へ手を近づけてみてください。はっきり冷たさを感じるなら、室内側のガラス面が外気に近い温度まで下がっています。複層ガラスであれば、同じ条件でも室内側の面はここまで下がりません。結露の有無とあわせて見ると、仕様の見当がつきます。ただし判断材料の一つであって、確実なのは框を横から見ることです。

体感としては、どこに差が出るのですか?

最も分かりやすいのは、窓際に立ったときの冷たさと、冬の朝の結露です。室内側のガラス面が冷えにくくなると、そばにいても冷気を感じにくくなり、水蒸気が冷やされて水滴になる現象も起きにくくなります。

住宅から逃げる熱のうち窓などの開口部が大きな割合を占めることを示す図 図3 冬の住まいで熱が逃げていく場所 窓などの開口部 約6割 その他(壁・床・天井など) 残り ガラスの仕様がこの割合の大きさに直接効いてきます。 割合はモデル試算にもとづく目安で、住宅ごとに異なります。 出典:窓リノ掲載データ(2026年8月確認)

冷暖房の効きにも表れる

暖めた熱が逃げにくくなれば、同じ設定温度でも部屋の温まり方が変わります。夏も同じで、外の熱が入りにくくなれば冷房の効きが変わります。窓の断熱性能を上げることで年間の光熱費が抑えられるという試算があるのは、この冬と夏の両方に効くためです。

数字ではなく場所で感じる

体感の変化は、部屋全体の平均温度としてより、「窓のそばが冷たくない」「朝の結露を拭かなくてよくなった」という形で現れます。松山市の事例で窓際の冷気と結露が大きく減ったのも、この現れ方でした。数値で説明しにくい部分ですが、暮らしの中では毎日触れる変化です。

出典:割合の数値および年間光熱費の試算は窓リノ掲載データ(2026年8月確認)。実際の効果は住宅の条件により異なります。

夏と冬で、感じ方が変わる

単板ガラスの窓は、冬は冷たく、夏は日射で熱くなります。同じ一枚のガラスが、季節によって逆向きに働いているということです。冬の寒さで気になった窓が、夏には別の困りごとの原因になっている。こうしたつながりが見えてくると、一度の工事で両方に効くという意味が実感として分かってきます。

我が家の窓は、どちらの状態ですか?

当てはまる項目が多いほど、単板ガラスが残っている可能性があります。下のチェックは診断ではなく、確認するポイントを整理するためのものです。実際の判断は、框を横から見て確かめてください。

窓の仕様セルフチェック(6項目)

当てはまるものにチェックを入れてください。個人情報の入力はありません。

当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。

当てはまった数でみる読み取り方
当てはまる数読み取り方
0〜1個複層ガラスが入っている可能性があります。念のため框を横から見て確かめてください。
2〜3個一部の窓に単板ガラスが残っている可能性があります。部屋ごとに確認してみてください。
4〜6個単板ガラスとアルミサッシの組み合わせが残っている可能性が高い状態です。現地で見てもらう価値があります。

チェックはあくまで手がかり

チェックの数が少なくても、実際に框を見たら単板だったということはあります。逆に数が多くても複層が入っていることもあります。このチェックは「どこを見に行くか」を決めるためのもので、判定するためのものではありません。結果に関わらず、気になる部屋の窓は一度ご自身の目で確かめてみてください。

ガラスの違いについて、よくいただくご質問は?

見分け方と選び方についてのご質問をまとめました。いずれも当社の施工事例と掲載データにもとづく内容で、住宅の条件によって答えが変わる部分は、その旨を添えています。

複層ガラスなら、もう対策は不要ですか?
ガラスが2枚あっても、枠がアルミ製であればそこから熱が抜けます。ガラスと枠はセットで見る必要があります。

ガラスを複層に替えるのと、内窓を入れるのはどちらがよいですか?
目的と建物の状態で変わります。ガラス交換は窓の見た目が変わりにくく、内窓は既存の窓を残したまま空気の層を足せます。どちらも国の補助制度の対象工事に含まれており、現地を見て判断します。

見分けがつかないときはどうすればよいですか?
サッシの框を横から見てガラスの断面を確認するのが確実です。判断がつかない場合は、現地確認の際にその場でお伝えできます。

ペアガラスと複層ガラスは違うものですか?
一般には同じものを指して使われています。2枚のガラスの間に空気層がある構成をこう呼びます。

古い家でも複層ガラスが入っていることはありますか?
あります。一部の窓だけ後から交換されているケースもあるため、家全体で同じ仕様とはかぎりません。部屋ごとに確認してください。

確認したことは、そのまま相談材料になる

どの部屋の窓が単板で、枠が何なのか。これが分かっていると、現地確認の前におおよその工事の方向が見えてきます。窓リノには窓断熱・一部屋断熱・まるごと断熱の3つのプランがあり、単板ガラスが残っている場所の数と位置で、どのプランが合うかが変わります。チェックの結果をメモしておくと、そのまま相談のときの材料になります。

自分の家の窓を、どう見分けますか?

この記事の内容は、框を横から見るという一動作で確かめられます。ガラスが何枚か、枠が何でできているか。この2つが分かれば、次に何を考えるべきかが決まります。そのうえで冷暖房の負担を数字で見ておくと、優先順位をつけやすくなります。

冷房費のシミュレーションで、我が家の負担を数字にする

窓の断熱で光熱費がどのくらい動くのかを、条件を入れて試算できます。個人情報の入力は不要です。

夏の冷房費シミュレーションを試す

あわせて読みたい記事をご紹介

関連するブログ記事はこちらから

断熱リフォームに関する最新情報をお届けします。

最新ニュース&お知らせ